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2010年7月 9日
旅と自分

大阪に住んで、もう30年近く。
学生時分の漠然とした夢ばっかり抱えていたころは、東京に出てでっかくなるんだ!なんて吉幾三のようなことを考えたりもした。
さすがに東京でべこを買おうとは思わなかったが。
年齢を重ねるにつれて、東京に大きな幻想を抱くことはなくなってゆく。
「大人になるってことは、物事をあきらめること」
誰の言葉だったかは覚えていないが、東京という街へのあこがれと引き換えに、ぼくは一つ大人になったのだろう。
その代わり、見知らぬ土地を見てみたいという想いはどんどん強くんっていく。
世界は国という単位で区切られ、国はさらに州や県などといった単位で区切られ、さらに市や町といった単位で......。
人間の暮らす世界は、どんどん細やかな単位で区切られている。
ぼくは旅が好きだが、海外に出たことはないし、遠方に旅へ出たこともあまりない。
普段も関西という単位の空間から、飛び出すことはあまりない。
井の中の蛙ということわざがある。
普段の生活にばかり触れていると、人は自分の見ている世界がすべてだと勘違いしてしまう。
旅に出ると、自分の記憶、見知らぬ空間を歩いたことが刻まれる。
最小単位であるはずの大阪を散歩しているときでさえ、街のささやかな発見に心躍らせることがある。
その記憶は、価値観や世界観という形で、自分を一歩成長させてくれる。
自分を成長させるために旅に出よう、なんて夏休みの予定をどうしようか目論むぼくである。
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