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2010年6月10日

小沢健二「ひふみよ」ツアー in 神戸

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小沢健二のライブ情報がリークされた。
身を切る寒さの残る初春、そんな噂を友人に聴かされた。
「どうせどっかのサイトが間違って流したんじゃないの?」
なんて話半分に流していたら、「ひふみよ」ツアー開催の正式発表である。

先日ぼくは、期待と不安のおり混ざった感情を胸に、神戸会場の開演を待っていた。
なぜ、今、小沢健二が戻ってくるんだろう。
十数余年の間不在になった彼は、ぼくの中でどんどん美化されていた。
そのイメージが破壊されやしないか。
まったく別の「小沢健二」が舞台に立つのではないか。
開演まで、チケットを譲ってくれた友人に不安を語り続けた。

しばらくして、パッと場内の照明が消える。
聞き慣れた声のカウントアップと、何百回も聴いたギターが響く。
わき上がる歓声。ためらいなく演奏される音楽。
メロディが聞こえてきた瞬間、開演前の不安の全てを忘れていた。

ライブは、彼の人気楽曲をメインに、新曲数曲を織り交ぜる形で進行した。
途中、彼が世界を渡り歩いて感じた視点を中心にした「語り」が入る。
一時期、「活動家」としての彼の不穏な噂ばかり耳に入ってきた。
しかし、彼は自らの価値観を広げるべく、世界に飛び出したのではないか。
少なくとも、彼の言葉に、演奏に、悲観的な感情は覚えなかった。

「この国の大衆音楽の一部であることを誇りに思います。ありがとう」
ライブの最中、彼はこう言った。
小沢健二ファンでよかった、そう胸を張れる一言だった。

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