2010年2月27日
映画・つむじ風食堂の夜
仕事帰りに映画なんて、何年ぶりだろう。
大阪・十三の第七藝術劇場で、楽しみにしていた「つむじ風食堂の夜」が上映されているというので、どしゃ降りの雨の中、足を運んでみた。
第七藝術劇場は、まさに「つむじ風食堂の夜」を見るにふさわしい、小さな我がの町の映画館といった風体。
場内が暗くなるまで、気持ちおだやか、でもそわそわといった心持ちにさせてくれる。
映画館の様相はさておき、肝心の映画は、ほぼ原作の流れそのままに展開する。
通称「つむじ風食堂」という、名前なき小食堂。
そこに集う、"私"をはじめとした常連客たちが、冗談や日常の疑問などについて語り合う、そんな物語。
この映画について「最後まで何もない映画で、つまらない」と評するレビューを見た。
でも、何かあってしまうと、逆にこの映画の良さが一気に崩れてしまうのである。
僕がこの映画を見るにあたって一番楽しみにしていたこと、それは、空気だ。
原作の小説においても、ぼくは「日常描写の美しさが秀逸」と知人に紹介していた。
その"美しさ"を損なわないよう、おだやかな空気作りがされており、安心して映画に入り込むことができた。
最初は、想い描いていた風景との不一致に、違和感を覚えざるを得なかった。
でも、物語が進むにつれ、ここは月舟町なんだと自分の中で自然に受け入れている。
原作同様、何もないけどとてもはかなく美しい何かに触れているような、そんな気分にさせてくれる作品だった。
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